中国の作家莫言氏,2012年ノーベル文学賞受賞
2012/10/11

 スウェーデン・アカデミーは11日、2012年のノーベル文学賞を中国の作家、莫言氏に授与すると発表した。

 スウェーデン・アカデミーのピーター・エングルンド常任事務局長が同日昼(北京時間夜7時)、同アカデミーのホールでスウェーデン語と英語で受賞者の名前を発表した。エングルンド氏は、中国の作家、莫言氏の「幻想的リアリズムは民間の物語と歴史、現代社会を融合した」と述べた。

 同アカデミーは同日のプレスコミュニケの中で「歴史と社会の視点から、莫言氏は現実と幻想を融合させ、作品の中で人々に連想を起こさせる感覚の世界を作り上げた」としている。

 ノーベル文学賞の選考委員の1人、スウェーデンの中国学者マルムクビスト氏は新華社記者のインタビューに次のように語った。莫言氏は素晴らしい作家で、その作品には想像力とユーモアが十分あり、物語を語るのに長けている。今回の莫言氏の受賞で中国文学が一層世界に紹介されるだろう。

 莫言氏は1955年2月17日生まれで、本名は管謨業。山東省高密出身。1981年から作品を発表し始め、郷土を描いた一連の作品は「郷土への思い」と「郷土に対する怨念」という複雑な感情に満ち、「ルーツ文学」作家と言われている。

 主要な作品には「豊乳肥臀」、「蛙」、「紅高粱家族」(赤いコーリャン)、「檀香刑」、「生死疲労」、「四十一炮」などがある。そのうち「紅高粱家族」は20余りの言語に翻訳されて全世界で出版され、また張芸謀監督が映画化し、国際的賞を受賞した。長編小説「蛙」は昨年、第8回茅盾文学賞を受賞した。

(ストックホルム10月11日発新華社)