「写真で見る中日文化交流の55年」パネル展における王華総領事の挨拶
2011/08/23

尊敬する村松二郎議長、

尊敬する森邦雄副知事、宮崎敏春副市長、

尊敬する横川健専務理事、石軍センター長、

ご在席の皆様:

    こんにちは。

 今日、「写真でみる中日文化交流の55年」パネル展の開幕にあたり、私は中国総領事館を代表いたしまして、ご多忙の中ご出席いただいた皆様に心から感謝を申し上げたいと思います。このパネル展は、日本中国文化交流協会、東京中国文化センター、そして中国総領事館が共催し、また新潟県、新潟市、マスコミ各社と新潟市民芸術文化会館より多大なご協力とご支持をいただいて、実現するに至りました。衷心より感謝申し上げます。

 中国と日本は一衣帯水の隣国であり、二千年以上の長い文化交流の歴史があります。古くから両国の国民は言語、文学、宗教など各分野において様々な文化交流を続けてきており、それは中日両国の発展や、相互理解を深めるための「友情のかけ橋」として、重要な役割を果たしてきました。時代を遡ると、1400年ほど前に日本は遣隋使、遣唐使を数回にわたって中国へ派遣し、積極的に中国から社会制度、文学などを学んでいました。阿倍仲麻呂と李白の友情や、六度も海を渡り日本に仏教を伝えた鑑真和上など、千年以上たった今でも、素晴らしい話として、両国の文化交流史に輝かしく刻みこまれているのです。

 時代はくだって近代にはいり、文化交流は依然として中日関係の中でもっとも活発であったといえます。中国の文化界の多くの指導者や知識人、例えば周恩来首相や文豪である魯迅先生らは皆日本に留学し、生活した経験があります。新中国が誕生したのち、中国と日本はまだ国交がなく、両国関係は極端に難しい情勢のなか、両国の文化界の有識者たちは様々な困難を乗り越え、中日友好を唱え続け、文化交流を通じて、両国の国交正常化へと導きました。1972年、国交正常化が実現し、両国指導者の多大な関心と支持、そして両国文化界の共同努力のもと、中日文化交流は新たな発展段階に入ると、文学、芝居、スポーツなど各分野における交流が一斉に盛んになり、新たな局面を迎えました。このように中日両国は文化交流によって両国友好関係を深め、絆を強めてまいりました。

 今年は日本中国文化交流協会成立55周年に当たり、また来年は中日国交正常化40周年を迎えます。国交正常化に大きく貢献した田中角栄先生の故郷であるここ新潟でパネル展を開催し、55年の両国文化交流の貴重な瞬間を振り返り、大きく貢献された文化界の先駆者たちに思いを馳せ、これからの両国関係を展望することは、とても意義深いことであります。中日文化の共通点はいくらでもあり、文化交流の展開も、のちの世代にもこの友好を伝承して、両国国民が手と手を繋いで、ともにより一層明るい未来を迎えることが私たちの理想であります。今後とも、両国文化交流と世代友好に努力していきたいと願っております。皆様のご支持とご協力をお願いいたします。

 ありがとうございました。