山形県中日文化交流55周年写真展開幕式における王華総領事のスピーチ
2011/12/12

 尊敬する吉村美栄子知事、

 尊敬する市川昭男市長、黒澤洋介理事長、

 尊敬する横川健専務理事、石軍センター長、

 ご在席の皆様:

 こんにちは。

 本日、「写真でみる中日文化交流の55年」写真展の開幕にあたり、私は中国総領事館を代表いたしまして、ご多忙の中ご出席いただいた皆様に心から感謝を申し上げたく、また皆様と一堂に会し、中日文化交流の歴史をともに振り返ることができることを大変嬉しく思います。この写真展は、日本中国文化交流協会、東京中国文化センター、そして中国駐新潟総領事館が共催し、また山形県、山形市、山形県日中友好協会、マスコミ、経済、文化など各界より多大なご協力とご支持をいただいて、実現するに至りました。衷心より感謝を申し上げます。

 中国と日本は一衣帯水の隣国であり、二千年以上の長い文化交流の歴史があります。古くから両国の国民は言語、文学、宗教など各分野において様々な文化交流を続けてきました。阿倍仲麻呂と李白の友情や、六度も海を渡り日本に仏教を伝えた鑑真和上など、千年以上たった今でも、素晴らしい話として、両国の文化交流史に輝かしく刻みこまれているのです。それらは中日両国の発展や、相互理解を深めるための「友情のかけ橋」として、重要な役割を果たしてきました。

 時代はくだり、近代に入ってからも、文化交流は依然として中日関係の中でもっとも活発であったといえます。中国の文化界の多くの指導者や知識人、例えば周恩来首相や文豪である魯迅先生らは皆日本に留学し、生活した経験があります。1972年、国交正常化が実現し、両国指導者の多大な関心と支持、そして両国文化界の共同努力のもと、中日文化交流は新たな発展段階に入ると、文学、スポーツなど各分野における交流は一斉に盛んになり、新たな局面を迎えました。このように中日両国は文化交流によって両国の友好関係を深め、絆を強めてきたと言えます。

 山形県は素晴らしい自然環境に恵まれ、文化的にも「山寺」に代表される数多くの文化資源と文化財産があります。漆山天童氏のような漢学者や、有名な文化人も輩出しました。また、山形県は「おしん」「送り人」「天地人」など日本と海外でも好評価されている映画やドラマの舞台にもなっていると伺っております。日本の俳聖と呼ばれる松尾芭蕉は、有名な俳句「五月雨をあつめて早し最上川」を詠みましたが、まさにその一句にあるように、山形ならではの魅力がよくわかるのです。

 同時に、山形県は日本の東北地方における北東アジアに向けた重要なゲートウェイであり、これまで中国と、特に中国東北地域と長年にわたって友好交流と協力を積み重ねてきました。中国駐新潟総領事館は設立して以来、各分野における中国と山形の交流促進と連携深化に積極的に取り組んでまいりました。喜ばしいことに、今年10月25日、山形県駐ハルビン事務所が設立しましたが、この設立は、まさに山形県と黒龍江省、さらには山形県と中国東北地方の各分野での交流と協力事業が、さらなる発展を遂げた証しであるとわたくしは思います。これをきっかけに、双方はさらに固い友情を結び、交流と協力関係を深め、共同発展を遂げることができると、確信しております。

 今年は日本中国文化交流協会成立55周年に当たり、また来年には中日国交正常化40周年を迎えます。このような重要な時期に、55年にわたる両国文化交流の貴重な瞬間を写真で振り返り、大きく貢献された文化界の先駆者たちに思いを馳せ、これからの両国関係を展望することは、とても意義深いことであります。中日文化の共通点はいくらでもあり、文化交流の展開も、のちの世代にもこの友好関係を伝承して、両国国民が手と手を繋いで、ともにより一層明るい未来を迎えることが私たちの理想であります。今後とも、両国文化交流と世代友好に努力していきたいと思います。今後とも、皆様のご支持とご協力をお願い申し上げます。

 ありがとうございました。